raba777のサッカー分析blog

論理的思考でサッカーを分析します。主に日本代表、海外サッカー、Jリーグのマッチレポートを行います。

2014 W杯 準々決勝 ブラジル対コロンビア の展望

皆さんこんにちは。

今日で出揃う準々決勝ベスト8の国々。

ワールドカップの醍醐味はこの決勝トーナメントからといっても過言ではありません。ワールドカップというのは既に分析合戦と化していて、特にグループステージを勝ち上がったチームはグループステージ3試合を中心に徹底的にストロングポイント、ウィークポイントを研究されます。なので決勝トーナメントはいわゆるオープンで派手な試合はあまりありません。ですが、ナショナルチームの戦いとしては正に最高峰、CLとはまた違った高度な戦いとなります。

今回は主に決勝トーナメント1回戦を分析しながら準々決勝ブラジル対コロンビアの展望を書いてみたいと思います。

ブラジル~開催国の底力と一抹の不安~

ブラジルの決勝トーナメント一回戦の相手はチリでした。試合は1対1のまま決着がつかず、PK戦でブラジルが勝利しました。

正直まったくどっちが勝ってもおかしくない試合でした。ブラジルがここまで苦しんだのはシュートがなかなか決まらないことに苦しんだこと、そしてミスから同点に追いつかれたことです。

ブラジルはこの試合、むちゃくちゃ最初から飛ばしていました。パスサッカーを行うチリが攻撃のスイッチを入れる前にプレスを掛ける戦略で、それは機能してまして、CKから先制する前後も決定的なチャンスが多くありました。

今回のブラジルというチーム、守備的な戦いを基本としており、大人数で攻めるサッカーでなくてもネイマール、フッキの個の力だけでもチャンスを生み出します。押し込む展開にならないとオスカルがあまり目立たないのが特徴です。
この試合もチリの積極的なボールを取りに行く守備に苦戦し、なかなか押しこむことは出来なかったのですが、ネイマール、フッキが果敢にゴールに迫りました。あれだけチャンスがあって流れから得点が取れなかったのは、ツイてなかったということ、そしてゴールキーパーのブラーボがとても良かったこともあるのですが、チリが集中して全員守備をしていたことがあります。しかも全員で中を固めますから。それはなかなか点がとれません。

ただセットプレーから一点をもぎ取ったことによって、スローペースに試合をしながら速攻で追加点をとれる試合になったのですが、まさかの自陣でのミスから失点してしまいます。
今大会、ブラジルは中盤でミスすることが多く、この点が大きな穴ともいえます。

ただこのような苦しい試合でも勝ち切るのが開催国の底力というかブラジルの底力というか。とりあえず4年前のオランダ戦で脆さを見せたブラジルではありません。
穴はあるといっても、とてもそう簡単には負けないでしょう。

コロンビア~ハメス・ロドリゲスの旋風とまだ見えぬ穴~

コロンビアの決勝トーナメント一回戦の相手はウルグアイ。試合はハメス・ロドリゲスの2ゴールで2対0と勝利しました。この試合は両者がカウンターサッカーのチームだったので、まぁ順当に先制点をとったチームが勝ちました。

この試合もですが、今大会のコロンビアは全て先制点を決めています。しかも一回もリードされたことがありません。逆転もされていないのです。
ただもちろん全て思い通りの試合展開であるわけではなく、開始早々点をとったギリシャ戦はともかくとしてコートジボワール戦、日本戦、ウルグアイ戦は先制点をとるまでは特にコロンビアがカウンターをどんどん仕掛けていた、コロンビアペースというわけではありませんでした。

ただそんな膠着した試合展開でも点を取られず、逆に点をとってしまうのが今大会のコロンビアの強みと見ることが出来ます。そしてその中心にいるのがハメス・ロドリゲスです。

日本対コロンビアの展望の記事でも彼がカウンターの中心にいるという話はしましたが、既に彼が驚異的な個の力を持っていることはウルグアイ戦で見せてくれました。先制点です。まず彼は相手守備ラインの間でボールを受けたがっています。しかし青丸の選手がケアしています。

f:id:raba777:20140703195122j:plainハメス・ロドリゲスは青丸の相手選手が移動しパスコースが見えたので貰おうと少し動くのですが(日本戦2点目と同じですね)

f:id:raba777:20140703195217j:plain違う相手選手が寄せてパスコースを消します。ここまではウルグアイのいい守備。

f:id:raba777:20140703195359j:plain一回ウルグアイがその後すこしクリアした後です。青丸の選手が少しだけ離れ、ハメス・ロドリゲスに広大なスペースが。しかも味方からヘディングのパス。

f:id:raba777:20140703195502j:plainウルグアイもすぐに寄せに行く。しかし彼は胸トラップからボレーでゴールに叩き込む。

f:id:raba777:20140703195703j:plain
これは反則級です。ワントラップしてシュートしないとDFが詰めてきますし、他の選手も相手DFにケアされているためパスも出せません。その中空中でワントラップボレーでゴール。ウルグアイはもうそれはハメス・ロドリゲスを褒めるしかありません。

対して穴ですが、この大会コロンビアが追いかける状態に立たされたことがありません。ウルグアイスアレスが出場停止で攻撃面で迫力がありませんでした。
そんな中、次の対戦相手は王国ブラジル。コロンビアはもし劣勢に立たされたときに覆すことのできるクオリティがあるかどうかが問題です。

試合展開の展望

まとめですが、ブラジルが押し込んで、コロンビアがカウンターの構図は明白です。なので恐らく接戦になります。ブラジルが早いうちに先制して、コロンビアの攻守のバランスが崩壊すれば一方的な展開もありえますが、立ち上がりはかなり守りに入ってくるでしょう。コロンビアも中央を締める良い守備をするので。

ブラジルが勝つためには、先制すること、ハメス・ロドリゲスを封じること、馬鹿らしいミスをしないこと。コロンビアが勝つためには先制されないこと、ハメス・ロドリゲスを活かすことです。
ということで、コロンビアのキーマンそして試合のキーマンはハメス・ロドリゲスです。彼がどこで何をしてるかに注目するのも面白いですね。
ブラジルのキーマンを上げるとすればフッキです。ネイマールは恐らく普段どうりにプレーすれば良いのですが、フッキは4試合シュートは打っているのですが入りません。チリ戦ではかなりいい動きはしていたので、彼がコロンビア戦先発し決定的な仕事をしてくれればブラジルはとても楽な試合展開になりますし、コロンビアはとても苦しみます。

ただここまで拮抗した面白い試合になるぞ的なことを書いておきながらですが、ブラジルが今まで苦しんだメキシコ、チリは全員守備のチーム、対してコロンビアはハメス・ロドリゲスがあんまり守備しないのでその穴がどうなるかは気になるところです。
また、ブラジルは前線でミスをしてもカバーリングや守備への戻りがめちゃくちゃ早いこと、そして守備も攻撃も個人の能力が高いことを考えると今まで以上にカウンターの成功頻度が減ります。そうなると試合展開的には一方的にブラジルが攻め、コロンビアが守る形になってしまいそうです。特に前半は。
ただそこを凌げばわからないので、コロンビアが踏ん張ることを期待です。
ここまでの安定した強さを見せるコロンビアにギリギリの試合もあるブラジルが勝つことを予想する方も増えている中、実際はどうなるのか。注目です。ではー。