raba777のサッカー分析blog

論理的思考でサッカーを分析します。主に日本代表、海外サッカー、Jリーグのマッチレポートを行います。

アジアカップ 日本のグループステージ2戦の分析

皆さんこんにちは。

ついに日本のアジアカップが始まり、2戦終わりました。
日本は2戦2勝で結果はほぼ最高なのですが、内容はどうか、という話になると良いとこともあればまだまだという部分もあります。2戦の分析して、今後の試合の展望とさせていただきます。

日本対パレスチナ~全ては先制点~

さて、まず初戦ですが、ほぼ前回の投稿で示した布陣で日本は望みました。武藤ではなく乾というところを用いたのも、ショートカウンターなどスピードを武器にし、前線にスペースが有るほうが活きる武藤よりも、ドリブルで相手を抜くことなど狭いエリアでも活きる乾という意味では、引いてくる相手には有効だと思いますし、妥当です。

試合ですが、日本は開始7分で先制点を取ります。見ていきましょう。

f:id:raba777:20150118041028j:plainサイドバックの長友がオーバーラップし出来たスペースに乾が降りる。

f:id:raba777:20150118041336j:plain乾簡単に前をむく。しかもパレスチナの選手は誰もアタックしに行かないし見ているだけ。更に遠藤フリー。

f:id:raba777:20150118041459j:plain遠藤に簡単につなぎ、バイタルまで持ち上がりシュート。キーパーもミドルの準備が遅くゴール。

まずですが、サイドバックのオーバーラップがまず効いています。ちなみに2点目はその長友へのスルーパスからでした。サイドバックの攻撃参加が引いた相手には重要なのがわかります。

また乾がこのとき下がっているように、ウイングは相手が引いた際の攻撃時は少し中に絞りサイドバックの上がれるスペースを作りながら、下がって縦パスを受けることが多かったです。特に本田よりも乾に対してあまりマークがキツくなく、左サイドでパスがつながっていました。
また他の選択肢としては、岡崎に縦パスが入り、絞ったウイングがそのフォローをする形となります。

更に相手は4-4ブロックを敷いてきたのですがなにせ前の4人の守備意識が低く、一点目は遠藤、二点目も香川がフリーでシュートを打てるような状態でしたので、日本のやりたいことが出来ていました。またどちらもペナルティエリア外からです。インサイドハーフにはミドルレンジからのシュート精度も必要であることがわかります。

まぁこんなところです。1点目に相手が引いた際の日本の攻撃のスタイルが見えましたし、1点目で試合の流れが決まりました。初戦のコンディション、コンビネーションにしては上出来です。

日本対イラク~遠藤のポジションと~

さて2戦目ですが、イラクパレスチナと違い、中盤の守備意識が高く、序盤はなかなかでした。ただ、遠藤のポジショニングが良いこと、そして遠藤に前を向いて簡単にパスを出させてしまったことでイラクはピンチを迎えることになります。

一点目もそれです。

f:id:raba777:20150118051920j:plain遠藤にここまでゴールに近いところで前を向かせると仕事します。

遠藤からのチャンスはかなり多く、コンディションも良さそうです。また他のチャンスは大体アタッキングサードにいるウイングもしくは香川に縦パスが入り前を向けたときです。

さて、この試合前半は完全に日本が支配していました。が、後半の最初はイラクペースでした。守備時、インサイドハーフの2人とDFラインの間のスペースが空きまくっていたのでそこを使われました。

ただそこで遠藤に変えて今野を入れ、守備時は今野も長谷部並に下がることでスペースがなくなりましたし、イラクも疲れたのでまた日本のペースになりました。追加点は取れませんでしたが、ほぼ思い通りの展開でしょう。

2試合での不安点~守備時の香川とピッチコンディション~

で、ここからがどちらかと言いたいことなのですが、現在の不安点としては守備時の香川とピッチコンディションです。

守備時の香川ということからですが、香川はけっこう流動的なポジションをとっており、通常のインサイドハーフとしては高めの位置をとっています。もちろんこれは彼の高い攻撃力(香川は高い位置で前を向くのが上手く、出来ければ大チャンス)を活かしているのですが、もちろん守備では穴になります。

例えばイラク戦後半3分前後のシーン。このとき右SB酒井が上がっていてそのケアのためアンカー長谷部は下がっており、中央には広大なスペースが存在します。

f:id:raba777:20150118054203j:plain吉田と香川でボールを挟みに行きます。が、相手は一旦戻してからワントップにボールを繋ぎます。

f:id:raba777:20150118054422j:plain吉田は戻るのに香川戻らず。2人が見ていた選手がフリーに。

f:id:raba777:20150118054654j:plainこの後スルーパスからかなり危ないシーンを迎えました。吉田がそのまま相手につくにしろ、下がるにしろ香川には戻ることが求められていました。

香川も前線からのプレッシングは得意なのですが、こういった戻る際の判断能力がインサイドハーフには求められるので難しいです。相手が速い攻めを見せた時、不安な点です。
ただし、今のシーンでもどこかで相手のパスを奪えれば香川がフリーとなり大チャンスとなります。それを考えて、香川に戻るな、という作戦ならば…アギーレは香川のことをとてもよく知っていることになります。今後の試合でも注目です。

そしてもう一つはピッチコンディションです。一戦目は風、二戦目は湿度と暑さが酷かったなど、まず気候が変です。また芝生の状態もお世辞にも良いとはいえず、日本にとってはあまり良い条件ではありません。今後も試合ごとに変わっていくと思われますので、注意が必要です。

まとめ~ポカさえしなければ勝てる~

さて、ここまで見てきましたが、正直あまりパレスチナイラクも日本と比べてしまうと数段実力は落ちていました。特に守備への切り替え、足元の技術に関してはかなり日本は優れていることがわかります。

もちろん相手が引いてきているので簡単なクロスだけでは崩せませんが、日本も上のように良い攻撃をしてきているので、あまり心配してはいません。
また守備時のインサイドハーフと決定力に関しても、今後改善することを期待しています。

レフリーに関しても、ボディコンタクトのファールをすぐ取るので、セットプレイが攻守で大事になります。ですが全体的に見て、レフリーも最悪というレベルではないので、中盤で致命的なミスをしない限りは安心して見れると思います。

まぁ外野が騒がしいですが、アギーレも監督能力としては良い感じですので、アジアカップ終了までは気にせず楽しみましょう。アジアカップの後を気にするのは協会だけで良いです。

また準々決勝後ぐらいにお会いしましょう。ではー。