raba777のサッカー分析blog

論理的思考でサッカーを分析します。主に日本代表、海外サッカー、Jリーグのマッチレポートを行います。

2014 W杯 日本 対 コロンビア の展望

皆さんこんにちは。グループステージ3戦目が始まりましたが、同グループは同時刻キックオフなのでBDレコーダーにダブル録画機能がついていない私は少し後悔しています。

さて、明日6/25(水)5時キックオフのコロンビア戦に向けての展望です。

3戦目の場所はクイアバ。南米大陸の真ん中にあり、南米大陸のへそとも呼ばれています。クイアバの気候ですが、現地7時キックオフのロシア対韓国の試合では気温28℃湿度60%。恐らく日本の前の2試合と気温は同じくらい、多少湿度がマシという条件でしょう。

そこで戦うコロンビアは日本と同じ4-2-3-1のフォーメーションです。ただ戦い方は全く違います。そんなコロンビアの戦術を分析し、試合のレビューとさせていただきたいと思います。

ここまで自分たちのサッカーをしているコロンビア

コロンビアはここまで2試合、思い通りの試合展開をしてるといえます。

ギリシャ戦は開始早々に先制すると残りはカウンターで2点を追加し完勝。

コートジボワール戦では苦しみながらもコーナーキックから先制し相手のミスをついて追加点。一点は取られるものの逃げ切りました。

このコロンビア、守備で相手をスローペースにさせてカウンターで一気にギアを上げるチームで、南米予選でも堅守速攻で勝ち上がってきました。特に速攻の部分でファルカオとかいう化け物ストライカーがいたのでとてもうまくハマっていました。
今大会ファルカオはいないのですが、前線の選手の調子が良く、ファルカオがいないぶんハメス・ロドリゲスが働いているので怖すぎるカウンターは健在です。

ただその分中盤より後ろでの組み立ては難があります。そこまで繋いでくる印象はありません。
それもあって、相手にボールを持たせるサッカーをしてきます。日本対コロンビアはポゼッション対カウンターの構図になるのは間違いないです。

さすがに攻撃は迫力がある

カウンターはとても縦に早くシンプルで、速さのあるクアドラードが右サイド、そしてハメス・ロドリゲスが中央または左にいて、彼らが突破をして最後はワントップのグティエレスを含めてフィニッシュという形です。単純ですがメンツがメンツなので強烈です。でもファルカオいなくてよかった。

ポゼッション志向でラインを上げる日本はどう考えても何回かはカウンターを食らいます。なので攻撃の際からリスクの管理をするべきです。

まず最初にハメス・ロドリゲスのケアを必ずすること。彼はとてもボールの貰い方が上手い選手ですので、見てないとあっという間に前を向いて加速または決定的なパスを出します。簡単に前を向かせないことが重要です。彼はトップ下にいることもあれば左にはっている時もあるのでボランチまたは右サイドバックが連携をとることが重要です。試合を見たところ左に張っている方がチャンスになっていたので、特に内田の対応が鍵になります。

次にカウンターにおけるパスの出し手にプレッシャーをかけることです。本当に基本中の基本ですがロングボールの精度が悪ければ怖い前線には渡りません。もし最後の仕掛けでとられてもすぐに守備に切り替える集中力が必要です。コロンビアのロングパスの精度はフリーだと決して悪くないので少しでも焦らせましょう。

最後は遅攻ですが、2戦ともコンビネーションはそこまでなく、ウイングへのサイドチェンジなどのロングパスからチャンスになっています。ただ気をつけたいのはコートジボワール戦で途中出場したキンテーロ。とてもボールを撒くのが上手い選手です。コートジボワール戦で彼が前を向いてチャンスになりました。
後半13分、クアドラードへのパス

f:id:raba777:20140624125535j:plain

コロンビアの弱点はサイド

攻撃はタレント揃いときても守備陣はそこまで強固ではありません。穴はあります。

まず前線の守備の緩さ。前から一応プレッシングにはいくのですが連動していないのでミスをしなければかわすのは難しくないです。なので比較的楽に縦パスはいれられるはずです。なのでミスだけは気をつけてほしい。

そしてなんといってもサイドの守備が甘いです。中央はボランチが塞いでいて強固なのですが、ウイングが基本的に守備意識が低く、サイドバックがリスクをとって上がればチャンスになります。特にハメス・ロドリゲスの守備が甘いです。前線ではプレスに来ますが(キャプチャは2点目)、

f:id:raba777:20140624125607j:plain

しかしながら後半34分、ハメス・ロドリゲスは散歩中。オーリエを見てもいない。

f:id:raba777:20140624140901j:plain

f:id:raba777:20140624141512j:plain38分。ハメス・ロドリゲスはまたも散歩中。

f:id:raba777:20140624141602j:plain

f:id:raba777:20140624141615j:plainこの2つのシーンなんかは日本対コートジボワールの日本の失点シーンに酷似しています。(香川は中に入りすぎ、ハメロドはする気がない)
ここは確実に狙い目です。恐らく修正はしてこないでしょう。あまりに下がってくるとカウンターという自分たちの良さを消してしまうからです。コートジボワールはフリーになった右SBのオーリエからのクロスにドログバらで合わせる形をとっていましたが、日本は無理にアーリークロスばかりではなく、コンビネーションで崩して欲しいです。そのために選手間の距離が重要です。特に右サイド。大久保を右に使うにしても完全に右を放棄するのではなく、誰かがニアに寄ってきてパスを受けるなどが必要です。

また守備陣もサイドからのジェルビーニョの切れ込みにちんちんにされていたので1対1で積極的にしかけることは重要です。そこまで足元も上手くないのでこぼれ球を押し込める形も出てくるはずです。

あとはメンタルだけ…

まとめですが、日本はカウンターに気をつけながらサイドから崩しをすることです。下手に中で崩そうとしても相手ボランチはしっかり固めているので。サイドに寄ってくれば中も開きます。そして左右に振ってボランチサイドバックを疲れさせれば必ず決定機が訪れます。中が固い時に焦って無理な縦パスを通す必要はありません。コロンビアは縦パスを守備陣が奪ってからのカウンターが十八番なので、それこそ相手の思い通りの試合運びとなってしまいます。点が欲しい時も冷静に。

コロンビアはギリシャよりリスクを背負ったカウンターサッカーなので、いかに日本がシュートまで持っていけるか、そこが勝負の分かれ目です。持っていけないとカウンターを受けやすくなるので。その点でこの試合の日本のキーマンは香川です。彼がシュートを何本打てるか、もしくはシュートに結びつく動きをするかに期待します。
対してコロンビアのキーマンはもちろんハメス・ロドリゲスです。コロンビアの思い通りの試合をさせないためには、ハメス・ロドリゲスをいかに長い時間空気にするかが重要です。

最後の最後になりますが、あとはリスクを冒して攻める勇気が必要です。日本は前回10人相手にカウンターのリスクを気にして、ボランチの攻撃参加、個々のドリブル突破、細かいパスでのコンビネーションを使った崩しのトライなど早い攻めに繋がる要素が足りなかったです。ギアを上げるスイッチですね。そのスイッチが鈍っていた原因はおそらくメンタルです。
正直選手たちも2戦行ってメンタル的にはしんどいとこまでいっていると思いますが、なんとか踏ん張って勝ち点3をとっていただきたいと思っています。

4年間面白い攻撃サッカーを見せてくれた日本のサッカー。ぜひワールドカップという最高の舞台で発揮してほしいです。頑張れ日本!