raba777のサッカー分析blog

論理的思考でサッカーを分析します。主に日本代表、海外サッカー、Jリーグのマッチレポートを行います。

2015 日本サッカーの展望

お久しぶりです。いつの間にか新年になってしまいました。
今年もよろしくお願いします。

さて、アジアカップもそろそろ開幕ですので、またちょくちょく書いていきます。
今回はアジアカップを含めた2014日本代表、そして日本サッカーに関して簡単に展望を書いていきます。

2015日本代表について~チームの土台作り~

アギーレ監督についてさて、W杯以降まったく更新していなかったので、日本代表に関して何も述べていませんでしたが、皆さん御存知の通り昨年秋からハビエル・アギーレが監督に就任しました。

アギーレ監督の好むチームスタイルについては各所で述べられていますが、とても簡略化すると全員で守り、奪ったら縦に早く攻めるということです。これは前任者でも似たような傾向でした。
変化としては、4-3-3つまりアンカーを敷いて中盤の守りを厚くする点がわかりやすくあげられるでしょう。

代表メンバーについてですが、アギーレ監督は話していた通り2014年の強化試合で試せるだけ試し、アジアカップでは現在のベストな布陣を敷けるメンバーを選んでいます。

SAMURAI BLUE(日本代表)メンバー発表 AFCアジアカップオーストラリア2015

2014W杯メンバーに、GK東口、DF太田、塩谷、昌子、植田、MF柴崎、FW豊田、小林、武藤、乾という10人のメンバーが新しく加わりました。

ちなみに2011年のときのアジアカップはというと2010W杯から11人の新メンバーを加えていました。さらにそのアジアカップから実際に2014W杯に行ったのは15人でした。
ザッケローニがメンバーをかなり固定していたという面はありますが、やはり今回もアジアカップのメンバーを軸に2018年ロシアW杯も行く確率が非常に高いです。

そして前述した新フォーメーション4-3-3ですが、既にアギーレ監督は親善試合で繰り返しており、なかなかのパフォーマンスを見せています。(これについてはまた後日ブログに上げたいと思っています。)

このアジアカップでは選ばれたメンツのクオリティとタイトルがかかった試合でのメンタリティ、そして4-3-3の機能性について注目すると、恐らく4年間の土台が見えてくると思います。

やはりこの話題で少し心配なのは、アギーレが八百長の件で解任されたときにこのチームの土台を次の監督がどうするかでしょう。オシム監督から岡田監督へ代わった際もありましたが、フォーメーション、戦術が変われば当然選ばれる選手も変わるべきなので、そこは苦しむことになります。
アジアカップの途中で監督がスペイン行きになる…そんなことが起きないことを祈るばかりです。

2015日本サッカーについて~リスタート~

日本サッカーについてコメントするなんて仰々しいことかもしれませんが、やはり代表は日本サッカーを体現しているのでなかなか切っても切れないものです。

2014ではワールドカップで結果は残せず、香川を中心に苦しむ海外選手、一方国内では期待されていたセレッソ大阪が降格、ガンバ大阪が国内三冠を達成するなどありました。
正直昨年のJは個人的に浦和のリーグ戦失速と20得点を上げる選手がいなかったことに少し物足りなさを感じるのですが、またそれはJ開幕前にでも。

今年は2ステージ制が復活する年です。2ステージには良い面も悪い面もありますが、良い面であるチャンピオンシップの試合はぜひとも盛り上がって貰いたいものです。

3月には五輪予選が行われるのもあり、若い新戦力というものに期待してしまいますし、今年もまた楽しみな1年になりそうです。

 

まとめ(?)ですが、今年も良い一年間でありますように。ではまた。

2014 W杯 準決勝の展望

皆さんこんにちは。

ついにベスト4が出揃いました。ブラジル、ドイツ、アルゼンチン、オランダ。色々波乱などもありましたが、準決勝まで残ったこの4ヶ国はいわゆる強豪国ですのでまぁ順当といえば順当です。

この4ヶ国は過去のワールドカップで全て決勝戦を経験しています(近年だとオランダが2010、ブラジルとドイツが2002、アルゼンチンは1990)。
しかも準決勝の組み合わせがブラジル対ドイツ、アルゼンチン対オランダということで、過去のワールドカップで決勝戦であたったことのある組み合わせです(前者は2002日韓。後者は1978アルゼンチン)。これだけ見てもなかなか面白い組み合わせです。

派手な試合になるかはさておき、とりあえずハイレベルな試合になると思われる準決勝をそれぞれ展望しようと思ったのですが、わざわざ分けるのも面倒なので4ヶ国の分析と準決勝2試合の展望を簡単にですがしたいと思います。

ブラジル対ドイツ~ネイマールの離脱の影響とドイツの真の力~

まずはブラジルですが、これはネイマールの離脱によってかなりヤバイ状況に追い込まれました。ここまで4ゴールしていますし、それに加えてネイマールのスピードと足技からの突破からチャンスが生まれていましたし、今大会のブラジルの強みでもあるコーナーキックのキッカーも務めていましたし、正直とても大きい存在です。

ただ、このブラジルがネイマールがいなくなるだけで負けるようなチームではないと思います。いわゆるアルゼンチンのメッシという絶対的な精神的な支柱までいってしまうと、離脱はメンタル的に大きいのですが、まだネイマールが若くそこまでネイマールのチームとなっていないこととブラジルが開催国であることから、ブラジルは折れずに逆に団結して強固なチームになる可能性が大いにあるからです。

対するドイツですが、ポゼッションを中心に据えるチームの中で今大会唯一勝ち残っているチームです。やはりバイエルン・ミュンヘンを基礎にしているチームだけあって相手の前からのプレッシングを避けるのも縦パスの入れ方も崩しも上手いです。ただし準々決勝のフランス戦などにも見られましたが、高くて足の早くないDFラインの裏、そしてサイドバックを突かれ、ピンチになっています。前半33分などです。
ただ今大会ノイアーが今のところ飛び出しもセービングも神がかっているので助かっています。ノイアーを崩すのは容易ではありません。

ここまでの試合内容とネイマールの離脱を加味すると、ドイツに分があるように思えますが、実はドイツはここまで今大会南米のチームにあたっていません。そして今回の相手は開催国でかつ南米のブラジルということで、今まで以上に苦しい試合になるでしょう。
加えてですが、ドイツは最近のW杯とEUROで準決勝が鬼門となっています。勝利の執念が異常に高いブラジルにそれに匹敵するほどの執念があるかがこの試合ではっきりすると思います。

アルゼンチン対オランダ~メッシ対ファン・ハール

副題が少しネタに走っていますが、準々決勝で話題になった2人がそのままチームの鍵となっています。

アルゼンチンは今大会メッシが非常に良いです。過去2大会輝けなかったメッシですが、今大会はコンディションも悪くなく、メッシのチームとして機能しています。
各方面からメッシが動いていないとネタにされていますが、それで勝っているうちは良い戦術なのです。

そしてこれがオランダを率いるファン・ハールにもいえます。今大会5バックを採用したり、先ほどの準々決勝ではPK用ゴールキーパー投入したりしていますが、勝っているので良い戦術と言うことが出来るのでしょう。

さて雑談が過ぎましたが、メッシは後半終了、いや延長後半終了までヤバい突破、シュートを決める力を残しているので、オランダは一瞬足りとも気が抜けません。
しかしながらそんな神に近づくメッシも、前線にあまりにスペースがないと自陣まで戻ってしまう癖があり、何度かそこでボールを取られてピンチになっています。今までは何とかなってきましたが、オランダはロッベンファン・ペルシーがいます。彼らがショートカウンターを外しつづけることは期待できません。

この戦いの展望ですが、オランダが先制点を取られない間にメッシを前線から消し続けるかです。メッシを苛立たせるのが重要です。対してアルゼンチンはメッシ以外の攻撃陣が輝けるかです。ディマリアが欠場した今、イグアインと帰ってくるアグエロの調子が問題です。
アルゼンチンもオランダも中央の守備は堅いので、チャンスが沢山あるような試合になるのかは微妙ですが、メッシとロッベンを観ているだけでも色々戦術などわかると思います。

優勝はどこか…

ここまで簡単に展望を書いてきましたが、この4ヶ国本当に特色が強く出ていて面白いです。
攻守の速さのブラジル、ポゼッションのドイツ、カウンターのオランダ、メッシのアルゼンチン。選手のクオリティに少しは差がありますが、総合力ではどこのチームがトロフィーを掲げてもおかしくありません。

優勝予想はしませんが、南米のホームアドバンテージが最後には効いてくるのではないかなと個人的には思います。

また決勝前後にお会いしましょう。ではー。

2014 W杯 準々決勝 ブラジル対コロンビア の展望

皆さんこんにちは。

今日で出揃う準々決勝ベスト8の国々。

ワールドカップの醍醐味はこの決勝トーナメントからといっても過言ではありません。ワールドカップというのは既に分析合戦と化していて、特にグループステージを勝ち上がったチームはグループステージ3試合を中心に徹底的にストロングポイント、ウィークポイントを研究されます。なので決勝トーナメントはいわゆるオープンで派手な試合はあまりありません。ですが、ナショナルチームの戦いとしては正に最高峰、CLとはまた違った高度な戦いとなります。

今回は主に決勝トーナメント1回戦を分析しながら準々決勝ブラジル対コロンビアの展望を書いてみたいと思います。

ブラジル~開催国の底力と一抹の不安~

ブラジルの決勝トーナメント一回戦の相手はチリでした。試合は1対1のまま決着がつかず、PK戦でブラジルが勝利しました。

正直まったくどっちが勝ってもおかしくない試合でした。ブラジルがここまで苦しんだのはシュートがなかなか決まらないことに苦しんだこと、そしてミスから同点に追いつかれたことです。

ブラジルはこの試合、むちゃくちゃ最初から飛ばしていました。パスサッカーを行うチリが攻撃のスイッチを入れる前にプレスを掛ける戦略で、それは機能してまして、CKから先制する前後も決定的なチャンスが多くありました。

今回のブラジルというチーム、守備的な戦いを基本としており、大人数で攻めるサッカーでなくてもネイマール、フッキの個の力だけでもチャンスを生み出します。押し込む展開にならないとオスカルがあまり目立たないのが特徴です。
この試合もチリの積極的なボールを取りに行く守備に苦戦し、なかなか押しこむことは出来なかったのですが、ネイマール、フッキが果敢にゴールに迫りました。あれだけチャンスがあって流れから得点が取れなかったのは、ツイてなかったということ、そしてゴールキーパーのブラーボがとても良かったこともあるのですが、チリが集中して全員守備をしていたことがあります。しかも全員で中を固めますから。それはなかなか点がとれません。

ただセットプレーから一点をもぎ取ったことによって、スローペースに試合をしながら速攻で追加点をとれる試合になったのですが、まさかの自陣でのミスから失点してしまいます。
今大会、ブラジルは中盤でミスすることが多く、この点が大きな穴ともいえます。

ただこのような苦しい試合でも勝ち切るのが開催国の底力というかブラジルの底力というか。とりあえず4年前のオランダ戦で脆さを見せたブラジルではありません。
穴はあるといっても、とてもそう簡単には負けないでしょう。

コロンビア~ハメス・ロドリゲスの旋風とまだ見えぬ穴~

コロンビアの決勝トーナメント一回戦の相手はウルグアイ。試合はハメス・ロドリゲスの2ゴールで2対0と勝利しました。この試合は両者がカウンターサッカーのチームだったので、まぁ順当に先制点をとったチームが勝ちました。

この試合もですが、今大会のコロンビアは全て先制点を決めています。しかも一回もリードされたことがありません。逆転もされていないのです。
ただもちろん全て思い通りの試合展開であるわけではなく、開始早々点をとったギリシャ戦はともかくとしてコートジボワール戦、日本戦、ウルグアイ戦は先制点をとるまでは特にコロンビアがカウンターをどんどん仕掛けていた、コロンビアペースというわけではありませんでした。

ただそんな膠着した試合展開でも点を取られず、逆に点をとってしまうのが今大会のコロンビアの強みと見ることが出来ます。そしてその中心にいるのがハメス・ロドリゲスです。

日本対コロンビアの展望の記事でも彼がカウンターの中心にいるという話はしましたが、既に彼が驚異的な個の力を持っていることはウルグアイ戦で見せてくれました。先制点です。まず彼は相手守備ラインの間でボールを受けたがっています。しかし青丸の選手がケアしています。

f:id:raba777:20140703195122j:plainハメス・ロドリゲスは青丸の相手選手が移動しパスコースが見えたので貰おうと少し動くのですが(日本戦2点目と同じですね)

f:id:raba777:20140703195217j:plain違う相手選手が寄せてパスコースを消します。ここまではウルグアイのいい守備。

f:id:raba777:20140703195359j:plain一回ウルグアイがその後すこしクリアした後です。青丸の選手が少しだけ離れ、ハメス・ロドリゲスに広大なスペースが。しかも味方からヘディングのパス。

f:id:raba777:20140703195502j:plainウルグアイもすぐに寄せに行く。しかし彼は胸トラップからボレーでゴールに叩き込む。

f:id:raba777:20140703195703j:plain
これは反則級です。ワントラップしてシュートしないとDFが詰めてきますし、他の選手も相手DFにケアされているためパスも出せません。その中空中でワントラップボレーでゴール。ウルグアイはもうそれはハメス・ロドリゲスを褒めるしかありません。

対して穴ですが、この大会コロンビアが追いかける状態に立たされたことがありません。ウルグアイスアレスが出場停止で攻撃面で迫力がありませんでした。
そんな中、次の対戦相手は王国ブラジル。コロンビアはもし劣勢に立たされたときに覆すことのできるクオリティがあるかどうかが問題です。

試合展開の展望

まとめですが、ブラジルが押し込んで、コロンビアがカウンターの構図は明白です。なので恐らく接戦になります。ブラジルが早いうちに先制して、コロンビアの攻守のバランスが崩壊すれば一方的な展開もありえますが、立ち上がりはかなり守りに入ってくるでしょう。コロンビアも中央を締める良い守備をするので。

ブラジルが勝つためには、先制すること、ハメス・ロドリゲスを封じること、馬鹿らしいミスをしないこと。コロンビアが勝つためには先制されないこと、ハメス・ロドリゲスを活かすことです。
ということで、コロンビアのキーマンそして試合のキーマンはハメス・ロドリゲスです。彼がどこで何をしてるかに注目するのも面白いですね。
ブラジルのキーマンを上げるとすればフッキです。ネイマールは恐らく普段どうりにプレーすれば良いのですが、フッキは4試合シュートは打っているのですが入りません。チリ戦ではかなりいい動きはしていたので、彼がコロンビア戦先発し決定的な仕事をしてくれればブラジルはとても楽な試合展開になりますし、コロンビアはとても苦しみます。

ただここまで拮抗した面白い試合になるぞ的なことを書いておきながらですが、ブラジルが今まで苦しんだメキシコ、チリは全員守備のチーム、対してコロンビアはハメス・ロドリゲスがあんまり守備しないのでその穴がどうなるかは気になるところです。
また、ブラジルは前線でミスをしてもカバーリングや守備への戻りがめちゃくちゃ早いこと、そして守備も攻撃も個人の能力が高いことを考えると今まで以上にカウンターの成功頻度が減ります。そうなると試合展開的には一方的にブラジルが攻め、コロンビアが守る形になってしまいそうです。特に前半は。
ただそこを凌げばわからないので、コロンビアが踏ん張ることを期待です。
ここまでの安定した強さを見せるコロンビアにギリギリの試合もあるブラジルが勝つことを予想する方も増えている中、実際はどうなるのか。注目です。ではー。