raba777のサッカー分析blog

論理的思考でサッカーを分析します。主に日本代表、海外サッカー、Jリーグのマッチレポートを行います。

2014 W杯 日本 対 コートジボワール の分析

皆さんこんにちは。

 

最初の記事が日本の負け試合というなんとも言えないスタートですが、やっていきます。

試合の流れとしては前半16分に本田が先制点。
内田の決定機などもありましたが前半途中からコートジボワールペースへ。
何度かコートジボワールの決定機があったものの、粘り強いDFラインと相手のミスで助かっていましたが、ついに後半19分と21分に同点弾、逆転弾を入れられてしまう。
日本は最後までペースを握らせてもらえずタイムアップ。

さて、この試合の分析はもう既にいろいろなところでやっているのですが、総じて日本のサッカーができていなかったという論調であると思います。
恐らく普通に応援されてた方も違和感を感じたのではないでしょうか。

ではなぜ日本のサッカーができなかったのか。試合を追っていきます。

日本の狙いとコートジボワールの狙い

今から振り返ると試合開始すぐの両チームの狙いが見えました。
日本は1:20、

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香川がフリーで中に入り森重からパスを受け、大迫の抜け出しにスルーパス。おしい。
ここの大迫に注目するとまずボールを貰いに降りてきてマークをひきつけ、香川にボールが出たとたんにDF裏に抜け出し、フリーになりました。
この一連の流れが恐らく選手が試合前から言っていた、コートジボワールのDFのスキをつくということなのだったと思います。

対してコートジボワール。2:30、本田、大迫はCBにプレッシングにいくもののボランチのティオテにフリーでパスを出され、ヤヤ・トゥーレに前を向いてボールを持たれてしまいます。
日本の良さであるFWを含めた前線からの守備をかいくぐるパターンが出来ていました。

また5分には長谷部からの縦パスを香川がフリーで貰います。これも日本の形です。
しかし香川が本田へのパスをミスし、一転コートジボワールのカウンターに入ります。これはコートジボワールの形。

この時点ではまだ予想通りだと思います。

日本の転機

日本は14:20、森重から香川への斜めのロングパスから左サイドを攻略。これも日本の十八番。得たCKからスローインになり、そこから本田が素晴らしいゴール。
19分には日本らしい連動した守備。50秒後には吉田のカットから内田のシュートまでの大チャンス。
ここまでは完璧な試合運びです。

しかしその後中盤で奪われカウンターを受けることが増えます。凡ミスが多かったのですがそれにしてもいつもの日本と比べても多すぎです。確かにコートジボワールは前線からボールに守備に来るのですが…。これが恐らく流れが変わった点だというものだと思います。

33分には香川からサイドへ流れた大迫へロングパス。タメを作って日本のいい形になりますが、前半のいい場面ははこれと35分の本田の中央突破からのシュートのみ。

すると高温多湿の状況+余計なカウンターで体力を失ったのか、それとも慎重になったのか日本は前からの連動した守備がほとんどなくなります。コートジボワールはSBも上げて攻勢をかけます。ただDFは集中して守っていたと思います。

後半最初、いつもの守備に戻りましたが、日本のパスサッカーが機能しません。ここで遠藤が投入されます。遠藤の投入には賛否両論ありますが、後半11分の左サイドの攻撃なんかは遠藤投入の効果だと思います。

しかし12分にはヤヤ・トゥーレの突破であわやPK、カルーの切れ込んでシュートなど個人技でヒヤヒヤさせられると、17分、ついにあの男が登場します。

ドログバで変わる雰囲気

母国で英雄として讃えられているドログバ。圧倒的な存在感で登場します。16:45に香川が中盤で潰されるとドログバの突破からこの試合1番のピンチになります。

そして18:30、カウンターのチャンスから香川のパスを受けた本田がボールを奪われ、ヤヤ・トゥーレに左サイドへはたかれクロスから1失点。

この失点に関しては香川が中に入って攻撃のスイッチを入れる段階だったので左サイドがら空きになっているという日本のウィークポイントを突かれたという感じですが、大きな問題は2点目です。

20:15、

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相手の左サイドバックがロングボールを出しますが、なんとこのとき完全にフリーです。これは岡崎がいつもならいってるはずです。
吉田は跳ね返しますが、ジェルビーニョにこぼれ球が収まります。

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この時にも問題があり、長友がボールにいかずに宙ぶらりんなのと遠藤の戻りが遅かったことです。長友はジェルビーニョの加速を止めなければいけず、遠藤は中央のボニへのパスを塞ぐ必要がありました。
ボニはオーリエにパス。オーリエは香川が見るべきでしたが、ザンビア戦1失点目のように中央にきていてオーリエはフリー。あとはクロスに誰もついていないジェルビーニョが合わせてゴール。逆転されました。

日本の穴、そして悪い流れが重なり最悪のゴールが生まれてしまったのです。

その後、DFラインを低くしたコートジボワール相手にボールをポゼッションしていい形は作りますが、フィジカルの強い相手のカウンターに時間を使われます。また押し込まれて体力もなくなっており、最後まで決定機は作れず試合終了。

なぜ日本のサッカーができなかったのか

まとめです。なんでいつものサッカーができなかったのか。

まずミスの多さ。中盤でミスをし、カウンターを受け、相手を押し込めず、相手陣地でパスを回せず、中盤でミスをするという循環…。しかも流れも悪くなります。ポゼッション率が低かった原因です。ポゼッション率が低く走らされて体力を失い連動性も失います。

それに付随してメンタル的な問題。カウンターを受けるの覚悟で前からプレスをするはずだったのに…。点をとってからは特に慎重になりすぎでした。

そしてなんといってもコートジボワールが日本のサッカーを研究し、対策をしていたからでしょう。大迫と本田のプレスのかいくぐり方、サイドバックを高くして香川と岡崎を押し込む。日本が嫌がることをしてきました。

まだ初戦

負けたと言っても初戦ですし、しかもDFが頑張ったおかげで得失点は-1で乗り切っています。次に切り替えることが最も大事です。メンタル的な部分は去年のコンフェデのイタリア戦を思い出すと次戦は大丈夫だと信じたいです。かなりショックそうだった香川が心配ですが。

ミスの多さも恐らくメンタルも大きな原因だと思いますが、次戦からは積極的にハイプレスをしかけて相手を押し込むのが重要です。そうすれば相手の選手間の距離も広がり、スペースができるのでワンツーなどでかわすことも楽になります。

ギリシャコートジボワールと同じような戦いをするかは不明ですが、日本がカウンターに弱いことは確実に知っているので、そこをどう防ぐかです。

詳しいギリシャ戦の展望はまた明日書きます。ではー。